
高達 秋良(こうだて あきら)
日本能率協会コンサルティグ・コンスイエル株式会社 技術最高顧問。日本能率協会(JMAC)でソニー、ホンダ、川崎重工など大手メーカーの経営コンサルティングを担当。1981年からフランス、1984年からイタリアに進出。1988年日伊ジョイントベンチャーでミラノにコンサルタント会社設立と同時に社長就任。イタリア企業のみならず大手ヨーロッパ企業数社の経営コンサルタントに携わる。1996年より現職。専門は研究開発、設計、生産技術管理。
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6. ニッチマーケット戦略− 中小企業の顧客は大企業
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今回の企業例は、エミリア・ロマーニャ州の中小企業。その従業員数は約150人です。前回お話した油圧ポンプ企業と同じ工場団地にありますが、その製品は油圧は油圧でも用途は全く違い、ブルトーザー等建設機械の、「力の伝達・緩衝装置のユニット品」で、その顧客は、ヨーロッパの大手建設機械メーカー(大企業)です。
従って、前の油圧ポンプ・メーカーが受注生産型であるのに対して、ここは大量生産型です。その事からこの両社は「油圧」と言う共通点と、その違いからくる特徴で、色々協力をしています。
この会社の設立の経緯を、設立者である前社長に聞くと「私は戦争中、兵隊の時にドイツに連れていかれ、戦車、ブルトーザー工場で働かされ、その運転も覚えました。戦後、帰国してこの地区の農業機械に、特にキャタピラー付き農業機械を考えて作り、それを注文に応じ作りました。然し、次第にこの仕事の注文が増えると、とても多くの資本金が必要なので、製品全体を作ることを止め、部品とユニットの生産に転換しました」
今は2代目で、若社長に聞くと「色々な部品とユニットを生産していましたが、私の代になって、その中で、今主流の部品ユニットに焦点を当て、競合品も調べて品質水準を一桁上げる研究をしました。当然、設備・検査具も新鋭機に更新し、自信が持てた時に大企業であるA顧客の所に行き、発注の5%程度を分けてもらい、テスト使用してもらいました。やがて、競合品との比較から、注文が増え、今では、95%はもらっています。こうしてB ・C・ D・・・と顧客拡大をしました。それと平行して別の、次の第2部品のユニットに焦点をあてて、同様に拡大し、これも成功しています。今は、第3の部品ユニットで、これは、やや未来的な部品ユニットですが、研究開発からやって、生産に入る段階に漸くきました」
こうした話しを聞くと、小企業が、時代の変化の中で、どのように対応しながら、ニッチな分野で成功したかが判ります。そして、しっかりした戦略がある経営だと思います。
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