
高達 秋良(こうだて あきら)
日本能率協会コンサルティグ・コンスイエル株式会社 技術最高顧問。日本能率協会(JMAC)でソニー、ホンダ、川崎重工など大手メーカーの経営コンサルティングを担当。1981年からフランス、1984年からイタリアに進出。1988年日伊ジョイントベンチャーでミラノにコンサルタント会社設立と同時に社長就任。イタリア企業のみならず大手ヨーロッパ企業数社の経営コンサルタントに携わる。1996年より現職。専門は研究開発、設計、生産技術管理。
私の出身母体の日本能率協会コンサルタント(JMAC)が国際化を始めた第1号は、1981
年2月、フランスでした。それはフランスのコンサルタント会社と共同の仕事で、陶器のリモウジュ焼き産地の電気器具企業(創立は電気絶縁焼物)が日本のロボット導
入を希望した為でした。
早朝のパリから南に下る特急列車の中で、フランスの広い平野を見て、豊かな農業に感心しながら、同行のフランス人から、会社の工業事情を聞
くと共に、産業ロボット導入によって人員削減への影響を危惧し、それを質問したところ、「同社は高い成長企業で心配ない。又、今は生産性向上のためにはフランスの
労働組合も反対しない」と言われ、安心しました。
工場を見てロボットの可能性はわかったものの、ロボット以前の問題があること、つ
まり使用部品の品質の悪さと在庫部品の多さを指摘しました。結局、「その基本のことを解決してくれ」と言われ、この課題のコンサルテング゛を幹部に提案しました。
すると向こうは「本気でやってくれ」と言い、それに対して私が「本気でやります」と答えたら、反対に「その言葉は信じられない。本気にやるとは日本企業のライバル
を援助することで、日本人として矛盾ではないか」と言うのです。そこで「今のままの作り方では永久に日本に勝てません。そうすると結果としてフランスは関税障壁か
数量規制をするでしょう。これは両国民の為にならない。生産の基本を直し、製品そのもので競争することが必要であり、それと私が本気でやることとは何も矛盾しない」と言ったら納得してくれました。
そして、今一つ「この仕事は1、2年かかりそうだ。本気でやるためには、パリに家族を住まわせないとフランス人は本気と思わない
よ」と言われ、日本の「本気にやるには妻子を置いて来い」と言った時代を思いながらも、同意しました。然し、「ああ、これがヨーロッパ人の考え方か。こうしたことを
一つ一つ克服することが、成る程、国際化ということなのか」と考えはじめました。
|