
小林 元
東レ経営研究所 研究主幹。イタリア・アルカンタラ社副社長を1999年3月まで務める。36年間海外事業一筋。海外勤務歴通算18年。著書にr人生を楽しみ懸命に働くイタリアー二」(日経BP社発行)。
日本でもイタリアンコーヒーの一部として、エスプレッソがはやり出しているという。
エスプレッソというのは、イタリア語では列車の特急をも意味する。何故このコーヒーが“特急”なのかというと、コーヒーのエッセンスを高圧の蒸気で“特急で取り出す”からである。勿論、イタリア人の発明であり、彼等によると“アルプス以北”のフィルターされたコーヒーにはコーヒーの不純物もまざってしまうが、“エスプレッソ”では、エッセンスだけとりだすので、これに優るものはないと、日本でもコーヒーといえばついこの間までフィルタータイプが全てだったが、イタリア人によれば、これはまがいものだというのだ。
私自身、何処へいってもエスプレッソを出される生活の中にいるが、時々、フィルターコーヒーしかもミルク入りがなつかしくなる。エスプレッソはいまだに私には強すぎて、胃をこわしたりする。数年間前に、私は“カッフェマキアート”なるものが、イタリアにはあることを発見した。エスプレッソにミルク(熱いもの又は冷たいもの)を少しさしたものである。これだとフィルターコーヒーに近い味があるしマイルドである。しかし、最近“マキアート”というイタリア語の本来の意味を知って愕然とした。“しみをつくる”ということなのである。つまり本来純粋なもので、価値あるものに、何かを加えて汚すという意味なのである。やはり、イタリー人は、エスプレッソこそ本物と考えているのだ。
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