
小林 元
東レ経営研究所 研究主幹。イタリア・アルカンタラ社副社長を1999年3月まで務める。36年間海外事業一筋。海外勤務歴通算18年。著書にr人生を楽しみ懸命に働くイタリアー二」(日経BP社発行)。
心を許しあった友達(アミーコ)との語らい、これがミラネーゼ達にとって、何にも優る楽しみのようだ。バールの片隅のテーブルで彼らは時を忘れて語り合う。そうした際、彼らが最も好む酒とおつまみは、赤ワイン(2−3年ものの軽い赤ワイン、例えぱピエモンテのドルチェット・ディ・アルバなど)とパルメジヤーノ・レッジャーノチーズ(日本では、パルメジャンチーズと呼ばれる)のかたまりだ。
このチーズは、日本ではまだバスタにかける素材としてしか認識されていないようだ。しかし、一度そのかたまりをミラノの店で買って、赤ワインと試食してほしい。やみつきになることうけあいである。
ミラネーゼのこうした趣向は、チェーナ(ディナー)の時にもあらわれる。セコンド(メインディッシュ)が終わってヤレヤレと思っていると、チーズワゴンが現れる。我々日本人は「お腹一杯なのにまた、しつこいチーズ!」と思ってしまう。しかし、ミラネーゼには、これに目がない人が結構多い。好みのタイプのチーズをワゴンから取り、ワイングラスIこ残つた赤ワインを口に含んで至福のひとときを過ごす。この発酵食品のごんげのような素材は我々日本人にとっての漬物
のようなもので彼らにとっては沢山食べた後に口をさっぱりさせるものらしい。私もミラノ滞在10年をすぎたあたりからチーズワゴンに手が伸ぴるようになった。 |